PROJECT 01

自動運転プロジェクト

物流や人流の未来を支えるため、ISUZUは「自動運転」という新たな挑戦に乗り出しています。今回は、この革新的なプロジェクトを牽引する3名のキーマンの話から、仕事の意義ややりがい、そしてISUZUならではの強みを紐解いていきます。

自動運転プロジェクト
MEMBER
T.T
商用モビリティ推進部

自動運転バス事業のビジネスモデル構築に取り組む若手。事業の収益性を高め、プロジェクトをビジネスとして成功させる役割を担う。

T.K
法規・認証部
法規認証・技術渉外グループ
グループリーダー

自動運転車両を取り巻く新しい法規制の専門家。国と会社の橋渡し役として、社会に信頼される技術の実現に貢献する。

K.O
ASシステム開発
AD企画・開発グループ
グループリーダー

自動運転車両を動かす制御系技術の開発を推進し、外部パートナーとの連携を担う、このプロジェクトの技術リード。

STORY 01それぞれの
プロフェッショナル

物流・人流の深刻な社会課題を解決するため、ISUZUは中期経営計画で「ISUZU Transformation(IX)」を掲げ、自動運転技術の社会実装を目指している。この一大プロジェクトに関わるのは、世代も専門も異なる3人。そしてそれは、物流を支えるインフラ企業として、業界をリードする使命と社会的責任を果たすための挑戦となる。
入社20年以上のベテランであるK.Oは、長年、先進安全技術(ADAS)の開発に携わってきた経験から、このプロジェクトに技術リードとして参画した。「私が担当するのは、自動運転における車両の制御です。AIで認識・判断された目標挙動を車両側に確実・安全に伝えるための制御設計と、その整合性検証に取り組んでいます」と、その役割を話す。
同じく入社20年以上のT.Kは、法規・認証のスペシャリスト。彼の役割は、開発した自動運転車両を世に送り出すにあたり、国土交通省など国の政府機関から許認可を得ることにある。「ISUZUと当局の窓口役として、技術者と政府の橋渡しをしています。商用車における自動運転はこれまでにない新しい技術。そのため、物流事業という畑違いの分野のノウハウを身につけ、今まで付き合いのなかった国の機関も開拓していく必要があります」と、T.Kは新しい技術だからこそ直面する難しさを語る。
一方で、入社6年目の若手であるT.Tは、自動運転事業の企画担当として、そのビジネスモデルの構築・成立性を検討している。「この新しいソリューションがISUZUのビジネスとして成り立つのか、事業性の試算をしています。その中で、特に自動運転レベル4によるバス事業を検討することが私の役割です」と、説明する。
車両を動かす制御技術、それを社会に適合させる法規、そして事業として成立させるビジネスモデル。それぞれの分野のプロフェッショナルが、互いの専門性を持ち寄り、自動運転という「未踏の道」を切り拓く。

STORY 02ISUZUだからこそ、
やらなければならない

ISUZUが自動運転技術を開発する上での特有の難しさと意義は、その歴史と信頼にある。「国土交通省の方とお話をしていると、大きな期待を感じます。ISUZUなら、国として課題になっていることを解決できるという信頼をいただけるのだと思いました。だからこそ、失敗は成功のもとという気持ちでは臨めません」とT.Kは語る。また、K.Oは「商用車の自動運転化は、社会的な波及効果がとても大きいことが特徴です。深刻化するドライバー不足の解消、物流の効率化、バスによる移動支援といった、労働、経済、地域が抱える課題解決に直結するインパクトがあります。そこに取り組むのは、業界のリーダーとしての責任だと私たちは考えています」と話す。お客様の信頼からくる期待を裏切る安易な失敗は許されないという緊張感は、同時に大きな意義にもつながっているのだ。
意義という点でT.Tは、バス事業者へのヒアリング活動が最も印象に残っていると話す。「実際にバス事業者へ話を聞きに行くと、運転士不足によって路線を維持できなくなるという危機感が浮き彫りになりました。乗りたい人がいるのにバスを走らせることができない。私たちが考えている以上に深刻な課題になっており、バスを販売するだけでなく、自動運転という付加価値が不可欠なものだと感じました」と言うように、商用モビリティソリューションカンパニーを目指すISUZUにとって、やり遂げなければならないプロジェクトであることがうかがえる。この現場が抱える切実な課題を肌で感じたことが、ビジネスモデルの構築に向けた現実的な前提条件の把握につながったという。
ただ、ISUZUにとって前例のない挑戦の連続であることは間違いない。「自動運転になくてはならないAIの技術は、これまで経験が浅かった部分です。機械学習ベースの判断出力とISUZUの物理制御設計思想をどのように融合させるかが大きな課題となりました」と話すK.O。これを解決するために欠かせなかったのが、パートナーの存在だ。

STORY 03これまでにない
斬新で確実な協創を

『地球の「運ぶ」を想像する』をパーパスに掲げるISUZUでは、「安心×斬新」が大きなキーワードとなっている。自動運転において、さまざまなスタートアップ企業とパートナーシップを結ぶこともその内の一つだ。「これから自動運転を事業化するにあたり、社会のニーズを実現させるためには、斬新なアイデアが必要だと私たちは考えています。そこで、新たなパートナーと積極的に連携していくことが欠かせません」と、T.Tは話す。実際、パートナー先の海外のトップエンジニアたちと話すメンバーの姿はいきいきとしており、大きなモチベーションになっているという。
しかし、そこでは確かな意思疎通が欠かせない。「最終的に車両を完成品として国の機関に届け出て、安全であるというお墨付きをもらうためには、パートナー企業との間で認識のズレがあってはなりません。法規的な観点からも、実務レベルでスタッフ同士が密にコミュニケーションを取り、足並みを揃えることが不可欠です」とT.Kが話すように、パートナーとの連携が乱れてしまえば、自分たちの理想に届かないばかりか、許認可を得ることも難しくなる。新しい技術を正しく理解し、自分たちの言葉で丁寧に説明し続けること。それが、パートナーからの共感と協力を得るためには必要なことだ。また、「自分でアイデアを考えることで、ビジネスの方向性を思考する能力を身につけられたことがすごく嬉しかったです」とT.Tが言うように、このプロジェクトで活躍しているのはベテランだけではない。若手もまた大きな戦力となり、個人個人の確実な成長につなげているのだ。
自動運転の事業化を目指すのは2027年。この未踏の挑戦を成し遂げていくためには、マニュアルがない状況でも自ら考え、行動できる人材が必要だ。自分の役割にとらわれず、周りを巻き込んで障壁を突破する。最後までやり抜く力。そして、「誰のためにやっているのか」「なぜこれが必要か」を常に問いながら、お客様や社会とつながる実感を持ち、誠実で確かな技術を通じて社会に貢献する。そうした人材が手を取り合って、自動運転という最先端領域を通し、ISUZUは商用車メーカーの域を超えていく。 ※取材当時の情報です。